2009.07.26 Sunday ...author : genkigakko
コアのことをもっと知ろう 第12回 プロプリオセプションの作用
今回は、このプロプリオセプションのより詳細な作用についての解説を、稲葉論文をもとにして続けます。
体に無数に点在するプロプリオセプションというものがうまく働かなければ、背骨の三次元空間での位置は脳に伝わらず、脳は背骨の正確な位置関係を把握できず、背骨は常に不安定な状態に陥り易くなるというように、プロプリオセプションは体の動き全体を詳細にわたって監視して、脳にその状態を絶えず伝えているそうです。
このようにプロプリオセプションの正体とは、意識をしないでも絶えず体中と脳の間を猛烈なスピードで働き、体の動きをコントロールしているものということになるようです。
このことから、稲葉論文によると「プロプリオセプションの働きは背骨の安定を作る重要な鍵となり、正常範囲のS字湾曲(第10回で示した図1参照)を保つもととなり得る」としています。
ここで、腹筋運動がなぜ腰には危険であるかについて以下のように言及しています。
「腹筋運動を行う時、必ずといってよいほどウエストのあたりの正常なアーチを崩し、床に隙間なく背部を密着させて腹筋運動を行っている。つまり、背骨を床に密着させることによって、背骨の安定が図られるように思われるが、実際にはこの姿勢での運動では背骨はかえって不安定になり、ダメージへのリスクが高くなってしまう。また、日常生活でも、ウエスト付近のアーチをどう保てるかが腰痛対策などでは大変重要になる」としています。
では、どうすれば背骨を安定させたまま、かつ背骨のアーチを崩さず安全に腹筋を強化できるのかということで、コアスタビライゼーションの必要性を取り上げています。
コアスタビライゼーションにより、背骨の安定を図ってからであれば背骨のアーチを保ったまま、安全に腹筋運動ができるようになり、より実践的に体幹を鍛える事が可能になるとしています。
次回は、背骨の安定をテーマにしたコアスタビライゼーションの話に進みます。
次回に続く
ロング